神精疾患のレベルと比較

精神疾患のレベルは?
精神の病的状態はその状態の深刻度に応じて段階分けがなされています。
「精神異常」、「精神障害」、「精神疾患」、「精神病」の4段階です。
そして、うつ病は「精神疾患」という分類に入ります。
右側になるほど症状が重いということになります。
まずは、これらそれぞれの段階でどのような違いがあるのかを理解することで、
うつ病に対する理解へのアプローチを仕掛けます。
・精神問題の4つの段階
●精神異常
精神活動の能力が平均からずれていることをいいます。
例えば、頭脳の明晰さを例にとった場合、これが平均より大きく優れていれば「天才」、 平均より大きく劣る場合は「痴呆症」などといった評価につながります。
つまり、これそのものが個人・社会レベルに悪影響を及ぼさないこともあります。
したがって、悪影響がないのであれば、自分がそういった体質にすぎないのだと受け入れる姿勢だけで 実質的な「問題」ということにはなりません。
●精神障害
精神異常の内、それが原因で個人・社会レベルに悪影響を及ぼし始めた段階で、この評価になります。
また、「精神障害」=「精神疾患」とする定義や、「精神病にかかった結果残った障害」とする定義があります。
●精神疾患
精神障害の内、具体的な解決策があり、一人でも治療・解決できる範囲のものです。
ただ、自力での治療は難しいため、通院・服薬・カウンセリングによる治療を選択することが多いです。
思考・行動を変えることによって、症状を取り除いたり、改善を図る方もいらっしゃいます。
症状の内容や強さは様々ですが、うつ病はこの分類に入ります。
◎精神疾患の段階の例
典型的な気分の落ち込み、集中力減少など、
本来の能力に制限がかかる程度の症状で、薬物治療とカウンセリング
(この場合の薬物治療は精神病の対策のような”絶対に投与しなければ命に関わる”というほど、 切羽詰まっていない)
を併用することで社会活動に参加できる段階を指します。
●精神病
精神疾患の中で重傷なものであり、早急な治療が必要なものをいい、最も深刻な段階といえます。独力での治療は無理になります。
対策が取られない場合、命に関わる問題(自殺や殺人など)に直結します。
◎精神病の段階の例
希死念慮や、自殺の計画を立てる、さらには未遂にまで及ぶような
命の危険がある段階を指します。
この場合は一人では解決する力がないので、
早急に医師の対応を仰がねばなりません。
結論として、うつ病は分類上、精神疾患として扱われていますが、
症状の強さを基準に見た時は、 精神疾患の段階と、精神病の段階の
2段階に分けられるということになります。
他の精神疾患との違い
ここでは、うつ病と混同されやすい他の精神疾患と症状の比較を行います。
●統合失調症
うつ病の人はもともとポジティブ思考で何事にも積極的なアクティブな精神活動を行いますが、 それによりストレスを強く、多く感じることで病気にかかりやすくなります。
よって、自殺願望などはありませんが、症状の回復期において思考回路が乱れ、 自殺の衝動を抑えられなくなることがあります。
統合失調症はこのタイプの人間とは真逆で、
「死にたい」、正確には「生きたくない」という感情を持ちます。
●双極性障害(躁うつ病)
この病気のうつ期の状態はうつ病のそれと違いがありませんが、
そう期に入ると自分の調子が良いとばかりに錯覚しがちになり、
ある意味社会的に超人的な馬力を発揮します。
うつ病の本質がうつ症状にあることに対し、
躁うつ病の本質は「うつとそうの波の差の大きさ」にあります。